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植物のような一面をもつ珊瑚虫。

その生殖方法に注目した中村さんに、

彼らの生存戦略についてお話し頂きました。

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演題

 『夜の珊瑚入門』    

                      話し手: 中村 彰宏

           (独)国立成育医療研究センター 生殖・細胞医療研究者)

今回のテーマは珊瑚の生殖。

話し手の中村さんに、珊瑚の不思議な生態について、とてもユーモアのある語り口でお話頂きました。


珊瑚は「雌雄同体」

珊瑚の一塊は、「珊瑚虫」とその住処(殻)の集合体なんだそうです。 珊瑚虫は、れっきとした動物。一方、植物的な一面もあるそうです。それは、彼らは「雌雄同体」という事。雌雄同体とは、オスとメスの生殖器官を同一個体が持つ状態です。オシベとメシベを持つ植物はこれにあたります。


広い海で出会う為の戦略

大海原で精子が卵子と効率良く出会う為に、珊瑚虫は生殖細胞を「バンドル(束)」と呼ばれる塊にして海中に放出します(右図)。このバンドルが水より軽い脂質で出来ているというのがミソ。浮上したバンドルは少しずつ分解され、生殖細胞が海面近くで拡散します。海「中」でなく海「面」で拡散することで、精子と卵子が出会う確立を高めていると考えられているそうです。

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話し手の中村さん。

珊瑚の不思議な生態について

とても楽しく、分かり易く

説明して頂きました。

生殖システムの共通性

我々哺乳類とはかけ離れた生物とも思える珊瑚虫ですが、その生殖細胞は驚くほど似ています。精子を染色した写真(上図)を見比べると、珊瑚虫の精子は哺乳類のものとそっくり。運動に必要なエネルギーをつくり出す回路(赤色)も、同じ場所に備わっています。このことから、こと生殖システムに関しては、我々も珊瑚虫も共通のものを利用していると言えるそうです。

姿かたちがこれ程ちがう生き物なのに、生殖システムは共通した部分があるんですね。不思議ですが、それほど完成度の高いシステムであるとも言えそうです。中村さん、ありがとうございました!

マウスと珊瑚虫の精子を特殊な方法で染色した比較写真。運動に必要なクエン酸回路(赤色)が、どちらも同じ部分に存在していることが分かります。

「バンドル」と呼ばれる精子と卵子の束(上)と、その放出が始まった瞬間を捉えた写真(下)。

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