ワラビー研究者は、
研究と音楽に熱い方でした。
ワラビー研究者は、
研究と音楽に熱い方でした。
演題
『ポロリもあるよ!
ワラビー育児初級編』
話し手: 岩崎 佐和
(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 分子生物学研究者)
今回のテーマはワラビー。有袋類です。カンガルーを小さくしたような、とても愛らしい動物です。
話し手の岩崎さんは、オーストラリアはメルボルンにて、彼らの遺伝子について研究されていた方。ワラビーの不思議な生態や体の仕組み、ご自身の研究などについてお話し頂きました。また、いちトロンボーン奏者として、研究に対する独自の価値観を語って頂きました。
話し手の岩崎さん。
とても謙虚で控え目な方ですが、オーストラリアの広大な大地でとてもハードな研究をされていました。
岩崎さんの人生概略図。幼い頃から生き物が好きで、その頃から研究者になるつもりだったとか。中学でトロンボーンに出会い、その後暫くは音楽を優先的に頑張る。”music”を頑張る時”study”が落ちこんでいる様子がグラフ化されています(笑)。イラストは全て書き下ろし!
今回の主役、タマーワラビー(Tammer Wallaby)
ワラビーのお乳。Aの乳首がとても長いのは、袋の外の仔が吸い易いように伸びたと考えられているそうです。
有袋類で初めてPNMA遺伝子群の候補を発見!
全て掲載!(許可を得たもののみ)
アンケートコメント
・パワポのイラストがとても可愛く、遺伝子について分かり易い説明になっていたのでいいなと思いました。お食事もお酒もとてもおいしくて、話者の方とも距離が近くて話し易く、とても楽しいひとときを過ごすことができました。ありがとうございました。(会社員)
・話(研究)の内容も楽しかったけれど、佐和ちゃんの熱い思いが聞けてすごく楽しかったです。このキラキラした感じが沢山の人に伝わって「生物って面白い!」ってもっと色々な人に思ってもらえるようになるといいですね。ありがとうございました!(会社員)
・タイトルだけだと何故分子生物学者が話し手?と思いましたが、話を聞いたら関連がよく判りました。ワラビーの遺伝子の研究は結構難しいんだなぁと思いました。知りませんでした。これから技術が発達して色々と調べられたら面白いと思います。話し手の岩崎さん自身のことも判って面白かったです。カレーがとても美味しかったです。今日のワイン、不思議な味わいで初めての味でした。(会社員)
出典:Reproductive Physiology
of Marsupials
PNMA-MS1は生まれた時から頭部や体の一部で働いているそうです。
子供の成長に合わせた
ミルクの使い分け
ワラビーの授乳システムはとても良く出来ていて、子供の成長に合わせてその組成が変化するそうです。ワラビーの授乳システムはとても良く出来ていて、子供の成長に合わせてミルクの組成が大きく変化するそうです。4つある乳首のうち、1匹の子供が使うのは1つの乳首だけ。同じものを使い続けるのは、組成の異なるミルクを用意する為です。袋から長く伸びた乳首は袋の外の子供が吸っているので、本当に長い! (左図)
新しい遺伝子の発見
岩崎さんは、有袋類では未確認だった「PNMA遺伝子群」と呼ばれる遺伝子群の1つを発見し『PNMA-MS1』と命名しました。PNMA遺伝子群は、かつてウィルス等によって外界から取り込まれた遺伝子のひとつと考えられており、哺乳類の進化に重要だった可能性があります。PNMA-MS1がどのような組織で働いているか調べたところ、脳や乳腺、卵巣など様々な部位で働いていることが分かりました。ただ具体的に機能を推測するには、もっと多くのことを調べないといけないそうです。
岩崎さん、ありがとうございました!!
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